PUBG,

約2年間のPUBGを振り返る。

始まり

最初に見た大会は覚えている。IEM XII Katowice PUBG Invitational。何がきっかけで見たかは覚えてないけど、偶々見たような感じだったと思う。PUBGはちょろっと遊んだことがあるぐらい。ドン勝の体験も良いものだったし、面白いゲームだなーとは思ってたけど、ほとんどプレイはしてなかった。大会形式のものを見るのは初めてだったし、最初はなんとなく見てたと思う。ただ、それまでPUBGに抱いていた印象は異なるものに変化していた。

「これめっちゃ面白いんじゃね?」

それまでPUBGはTPPモードのゲームだと思ってた。動かず覗かなくても視界が取れるゲーム。ただ、その大会はFPPモードで行われていて、動いて覗きにいかないと視界が取れないゲーム。リスクをマネジメントしながら情報を取って、相手の動きを予測して動いていく。めっちゃ難しそうでめっちゃ楽しそうなゲームがそこにはあった。

Team Soil

フレンドに声をかけてチームを作った。メンバーを募集して4人集めることができた。その時の日本の競技シーン(PJS)はTPPが主流で、スクリム(練習試合)もTPPがメインで行われていたけど、幸いにもFPPのみのスクリムを行ってくれるコミュニティがあって、そこで練習をさせてもらっていた。その時はPJSに憧れはあったものの、特に目指している場所ではなかった。TPPはやりたくなかったからね。チーム活動も何か目標がないとモチベーションを保つのが難しい。その時は仕事もしてたし、メンバーも社会人が多かったから、活動はだんだんとまちまちになっていった。そんなわけでスクリムにはあまり出れなかったけど、PUBGの練習は常に行っていたと思う。働いていてゲームする時間が少なかったし、使える時間だけPUBGに注ぎ込まないとトップに追いつけないと思っていた。

2019年に入ってからPJSもFPPに切り替わり、ようやく具体的な目標を据えることができた。チームは解散した。自分で作ったチームだったし、メンバーも皆いい奴らだったけど、PJSを目標にしているわけではなかったし、次のステップに進むにはそれが必要だった。申し訳なくも思っていたけど、次のことに目が向いていたせいか、あまり気にはしていなかったと思う。そして俺は仕事をやめた。

Icicle Romy

自信に満ち溢れていた。雰囲気さえ良ければどんなチームでもよかった。下手くそ(直球)なチームでもついてきてくれさえすれば、俺がPJSに連れていくつもりだった。Icicle Romyに加入した。

井の中の蛙大海を知らず

味方もまともに動かせない。かと言って自分が最強な訳でもない。自分の中にあったロジックを最後まで信じきれない。やればやるほど自分の弱さを知る。

でもそんなのは普通で、それら全てを受け入れて努力できる人間が強い人間なんだ。俺はできなかった。練習時間は段々と減っていった。空の青さを知ることができなかった。

最近はそんな自分を受け入れてしまっている。最後になるだろうPaRに出れないことに悔しいと思わない。出ている他のチームを羨ましいとも思わない。そんな自分にちょっとだけ悔しさを感じる。

勝ちたかったと言うならどうして手を尽くさなかったのか。何も言い返すことができない。

それでもやっぱりこのチームでPJSに行きたかったな。それだけは言える。

無職という選択

無職になってまでゲームをして、結局何の成果も得られていない。

俺はプロになりたいわけじゃなかった。自分の打ち込んだもので1番になりたかった。人生に「勝利」の二文字を与えたかった。その手段にゲームを選んだだけ。

仕事が原因で勝負の機会を逃すのが嫌だった。仲間は許してくれても自分が許せないだろうと思っていた。だから仕事は辞めた。

無職なんてできるのは今しかないとも思っていた。結婚して子供もできたらこんなことはできない。

何を言っても1行目が正しい。そうは思う。

それでもこの無職の経験は、自分自身を知るうえでは必要なことだったかもしれない。随分な回り道をして、結局元の道に戻ってきただけなんだけど、この回り道で見てきたものも全部自分なんだ。

人は過ちを繰り返す

※フィクションです。

PUBGに夢中になってすっかり忘れていたけど、似たような経験はしてた気がする。あのSAO時代だ。当時俺はキリトや血盟騎士団などの攻略組からひとつ後ろ、要は攻略組が命を張って開いてきた道で甘い蜜を吸うだけのプレイヤーだった。ゲームに自信はあるけど、命を張るようなそこまでの覚悟のない奴らの場所に居た。

そんな俺も一時期攻略組と行動をともにしたことがある。何も知らず自分達が強いと錯覚していた。すぐにここは俺の居場所じゃないとわかった。そもそもの覚悟が違うのだからそれはそうだ。

トップを走るというのはそういうことだ。足を止めたらその時点で終わり。あの時の俺は何も学べていなかった。

終わりと始まり

俺のPUBGはこれで終わり。でも俺はまだ続く。だからピリオドは止めてコンマにしておくよ。

チームメイトとチームには本当に感謝しています。あざまる水産。